お天気の心理作用

category:ニューヨーク
tag:比較文化

異文化で生活していると、ホントに些細な事が大きく心理に影響するようになる。風景が孤独感やストレスを癒してくれる事があるが、日々の天気が心理に与える影響は多大なものである。

ベルギーで生活するわが妹お喋り笛吹きは、冬になる度に「空が灰色だぁ、街が灰色だぁ、心も灰色だぁ。」とぼやくのであるが、ニューヨークにいた頃は、その「灰色」の重さを理解していなかった。

ニューヨークだって、かなり厳しい寒さだし、パリからやってきたフランス人の友人達はニューヨークの冬にいつもケチつけていたから、「パリの冬の方が良い」と勝手に決め込んでいた。が、どうもそうでもないらしい。

パリに来た2日目の日曜日、彼は窓を開けて
"It's such a fine day! What a nice weather!"
と、ちらりと見える青い空と太陽にこう繰り返した。

まだ「連日の灰色の空」を経験していなかった私は、
「何浮かれているんだろう。英語の練習でもしたいのか?」
と冷ややかに思ったものである。


が、それから一週間、晴天は無く。毎日毎日曇り空。

タダでさえも上手く行かない事が多い為に、もう、なんだか「気が晴れない」状態が続いた。


この「灰色」。私が思うに、とても性質悪い。

ドンヨリ上から圧し掛かって来るわけではなく、まるで薄い絹を何枚も何枚も重ねたよう。一枚一枚は、それは美しい白く透き通る絹なのだが、実は微妙に灰色かかっていて、それが何層にも重なった時色が現れだしている。

実際、薄い雲が何層も連なっているそうだが、これ、太陽が見えそうで見えない、なんだか真綿で首を絞められるような感じ。

こんな天気を毎年経験しておきながら、何故「ニューヨークの冬は最悪だぁ」などといえるのだ、パリ人は?と、不思議でならない。やはりなれなのか?とも思うが、「冬になると、うつ病患者が倍増するらしい」という妹の弁を考えると、どうもそうとも言い切れない。

では、何で「灰色の冬」経験者が文句を言うのか、自分なりに考えてみると、
ニューヨークの冬は攻撃的なので、お天気に対しても攻撃的になる
のではないかと思うのである。


ニューヨークの冬は、ただ寒いだけではない。「北風の暴風」がすごいのである。

地下鉄を降り、地上に出て「あ、今日は風が無い」などと思っても、角を曲がる瞬間にぶおぉぉぉぉと殴られる事多々あった。

相手はお天気なので、勝ち目は無いのであるが、ま、立ち向かってもさらに打ちのめされるという事もない。

だから、ビシビシビシッと殴られたら、「何すんねん、オラァ」と言い返しても良いのである。というか、言い返さずにはいられない。

そして、友達と会ったら、
「今日も、北風に殴られてさぁ、頭に来たから怒鳴り返してしまったわ。ホント、ニューヨークの冬って最悪。」
とケンカネタを語りあうのである。

時折、南国育ちは、「何で、お天気が私を殴るのぉ?」と言われの無い暴力に打ちのめされている事もあるが、2度、3度味わうと、「何すんねん、オラァ」に変わる。

そんなわけだから、ニューヨークの冬に対しては「我慢できないわ!」と感情を顕にする人が多いのではないかと思う。天気によってストレスを抱えるのは一緒でも、一応吐き出す事が出来るのである。


パリの場合は、どうもはけ口がない。薄っすらと、何重にもかかった雲で、青い空と太陽を微妙に隠している。この「見えそうで見えない」お天気に対しては、「お願い、見せて」という心理の方が強くなる。

「見せろよ、オラァ」と攻撃するよりも、「今日も見せてくれないのね、グスン」となり、なんだか、意味も無く落ち込んで、気付いたら底に落ちていた…そんな心理作用を及ぼすように思う。


かなり、アカデミックな分析とは対照的であるが、けっこう当っているような気がするが、どうだろう。



おまけ:
ニューヨークの遊び方を見たら、「早春」のセントラル・パークが。今は暖かいよう。光が良いなぁ。

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2009年02月27日

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