パリの治安 (桜の事件簿)

category:パリ
tag:桜の事件簿

パリに来てから1ヶ月ちょっと。地下鉄を乗りこなしたり、スーパーやパン屋で買い物をする程度は出来るようになり、大分パリ生活に慣れた感じがしてきた。

こういう「慣れ」が出てきた時が、実は一番危ないのだという事を、いつも経験する。幸い大事に至らないのが、私の「運」なのだが。

以前ニューヨークに住んでいた頃、引ったくりに会った時もそう。大麻のディーラーらしき人物が階下に住んでいた地域から、少し長閑な地域に引っ越して半年後。「前に地域に比べて安全だ」と油断していた矢先の事だった。

今回も、夜散歩が日課になり、パリの街はごく一部の地域を除いては危険な感じを持たないでいた。一応「油断は禁物」と心がけてはいたけれど、「それでは充分ではない」という事が、私が滞在しているアパートで起きた。


時刻は午前1時頃。彼氏の態度に滅茶苦茶怒った私は、狭いワンルームの部屋を出て外の空気を吸いに出かけようとした。

この辺りは、いわゆる「パリ」の風景とは違い、日本にもありがちなマンション群のある地域。私の彼氏のアパートには、恐らく150人ぐらいが住んでいる。

入り口は、暗証番号式のロックが2箇所あるが、どちらもシッカリ閉まっている事は少なく、どちらか片方が開けっ放しという事が多い。それだけ皆「気をつけなきゃ」という意識が無い、治安の心配をしていない場所。


そんな場所だから、午前1時とは言え、ちょっと外に出たぐらいで「怖い」という思いはした事がない。人気は無く静まり返ってはいるが、不穏な空気を感じる所ではなかった。


ところが一昨日は違った。


部屋を出てエレベーターに乗って直ぐ、いきなり女性の悲鳴が聞こえた。

「何事?」
と不安になりながら、0階でエレベーターのドアが開くと、床に押し倒された女性と、上に覆いかぶさっている男が!


エレベーターのドアが開き、ビックリした男は立ち上がり、私とと目が合った。それは、本当に短い瞬間だったのだけれど、色んな事が頭によぎった。


まず、「逃げろ!」という事。

男がこっちに向かってきたら、エレベーターのドアを閉める?でも、彼女を置き去りにして?

ふらっと外の空気を吸うだけのつもりだったから、鞄も何も武器になりそうなものは持っていない。


幸い、とっさの私の悲鳴に、男の方がビビッて逃げ出してくれ、私は彼女をエレベーターに引きずり込み、エレベーターのドアを閉めた。

女の子は多少英語の話せるフランス人で、私が言っている事を理解できたが、完全にパニック状態で、「警察って何番?」と聞いてくるような状態。とにかく1人にしておくわけにもいかないので、部屋に連れて行き、彼を起こして、相手をしてもらった。


彼女はしきりに、「ありがとう、ありがとう。」を繰り返し、あの時私が降りて来なかったら今頃どうなっていたか…、と言ったけれど、それは私にも言えて、もし、私が彼女より先に下にいたら、逆の立場だったかも知れない。

男は逃げて行ったけれど、もし私にも襲い掛かってきたら、そんな事を考えると足の震えが中々止まらなかった。


警察が来たのは5分後だったか、10分後だったか。とにかくとっても長い時間に感じた。

フランス語が話せないので、どういうやり取りが行なわれたかは、わからない。
「男の顔を見たか?」という事を聞かれ、「もし容疑者が上がったら、証人として来てもらうかもしれない。」と、私のパスポートと携帯の番号を控えて帰っていった。


今朝は朝の9時に警察署に。目撃した事を順を追って話した。一応英語の話せる警察官だったけれど、フランス語訛が激しくて、時々わからなかった。

証言が終わり、警察官が「調書はフランス語だから、君が言った事を通訳する。」と言って話し出したら、ところどころの描写が違った。「いや、違う」と英語で訂正するも、言い直したが、タイプし直しはなし。なんだか、伝言ゲームみたいな感じだった。

未遂事件だからか、そうした事件はよく起きるのか、「一大事」という空気は全くなかった。


それにしても、話しながら、自分の記憶の曖昧さに歯がゆさを覚える。映画やドラマみたいに、「彼が犯人よぉ!」と指すのは、中々難しいのだ。

地下鉄の防犯カメラの映像をいくつか見せられたけれど、写真の解像度が悪くていまひとつはっきりしない。それに、断片的なイメージは合致しても全体像がいまひとつ合致しなかった。

肌の色、帽子にある赤いワッペン、黒いジャケットは、同じに見えたけれど、私の覚えている男の顔は、とても大きな目をしていたが、写真の男の印象は、大きな団子鼻と口。

警察もそんなに期待していなかったのだろう。私が「瞬間の事だったから、断片的には一致するけれど、彼とは言い切れない。」というと、納得した調子だった。



アパートの方は昨日から、夜常駐の警備がついた。お芝居の稽古から帰ってきて見ると、11時過ぎだと言うのに、思いっきり眠っていた。ま、叫べば起きてくれるだろうけれど、なんだか頼りない。




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2009年03月20日

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