不景気対策 - Paul Levy氏の場合

category:アメリカ
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アメリカのAIG問題で、課税90パーセントなんていう法案が飛び出して、「やったれ、やったれ、ざまーミロ!」という意見と、「そうは問屋が卸さない」という意見とが色々賑わしているよう。

金融システムがいつかこうなる事を知りながらもゲームを止めなかった人達。逃げ道を上手く見つけられる彼らのことだから、どうにでもするだろう。

実際に上手く機能しないだけでなく、「ざまーミロ!」的見せしめ法案には、どうしても組せず。タダでさえも不景気で心がすさみがちなニュースが多いのに、益々心がすさみそう。特に、良い話を読んだ後は。

先日友達が、Facebook で、
"There are some lessons in this."
と貼っていたリンク記事のご紹介。確かに「学ぶ事」の多い記事。この不景気時に心が温まる。

Paul Levy 氏は Beth Israel Deaconess Medical Centerの 経営者。不景気の波は当然、この病院経営を難しくしている。

彼は、そこで、対策を従業員達に尋ねた。

「運送者, 家政婦、フードサービスの人々」、「人員削減」の矢面に立たされる人達を、彼は守りたい、と言った。けれどもお金が未曾有にあるわけではない。

彼らを「守る」為には、自分達の身を削る必要があると、率直に言った。

「給料や福利厚生」、自分の権利と思っている者一部を諦め、他の従業員達を路頭に迷わせないようにする事は可能だろうかと、彼は訪ねた。

彼の問いに、従業員達は拍手で答えた。そして、彼は一時間に100通ものメールを受け取ると言う。

ある人は、昇給を諦めると言い、働く時間を減らす事で給料カットを受け入れると言い、ある人は有給休暇を諦めると言う。

皆、家のローン、家賃を抱え、生活の為に働く人達。

"But a lot of them realize that everybody's in the same boat and that their boat doesn't rise because someone else's sinks."
(boston.com "A head with a heart"より)

(訳)
けれども、多くの人は気付いている。皆同じ船にいるのだと。そして、他人の船が沈んだからと言って、自分の船が助かるわけではないと。

*****



Levy 氏は、"technicians, secretaries, administrators, therapists, nurses" を集めて、彼らに尋ねたのだけれど、その時、"ん? doctors は? surgeons (外科医)や、physician(内科医)の方がもっと高給取っているでしょう?特別扱い?と一瞬思った。

でも、もし自分の上司が同じ事を訪ねたら…、と考えた時、このLevy氏が、いかに従業員から信頼され、尊敬されているのか理解できた。


十年前の不景気時働いていた会社では、「人件費削減」が散々叫ばれ、「残業をするな」と言われた。

残業をするなと言われても、仕事の量が減るわけではなく、実質的には「サービス残業を増やせ」「休日出勤を増やせ」と言っているようなものだった。

私はこういう時、影で文句を言いながら仕事を続けるという事ができない性質で、マネージャーや部長に、
「仕事の仕方、量を減らさない限り、無理です。その辺マネージメントはどう考えているんですか?」
と詰問し、答えなど持っていない彼らにとても嫌がられていた。


そんな彼らにもし、「弱い立場の人を守る為に、自分達の犠牲を払おう」などと言われたら、「まず自分がやりな。」と言っただろう。

それを言わず、彼の提案を拍手で迎えるなんて、よほど信頼した上司でなければ、出来ない事だと思うのだ。


たとえ、信頼した上司であっても、やっぱり「他人を守る」為に自分の身を削るという事になると、難しいのではないかと思う。

この不景気で、派遣社員の大量解雇が起きているけれど、「派遣なんて仕事についている自己責任」的極端な意見に組していなくても、「良かった、自分ではなくて」と感じている人は多いのではないかな。

「明日は我が身かも知れない。失業したって同情できるか」
そんな空気を時々感じるのだけれど、どうなのだろう。


私は今無職。仕事が見つかった時、そこの上司が、Levy氏のような人だったら…。

「ようやく見つかった仕事の給料が早速減らされる」
と感じるのか、
「良い上司と働けて幸せだ」
と感じるのか。

今の段階ではわからない。


出来れば、後者でありたいと思う。


「仕事を失ったのは自己責任」
「ざまーミロ!公的資金で高給貰う奴には90%課税は当たり前」

不景気ごときに心まで荒まれたらたまらないもの。


Paul Lavy 氏のブログ
Running a hospital




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2009年03月21日

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