以前読んだ「ロシアは今日も荒れ模様」という本の中で、著者の故米原万里さんが、ゴルバチョフ大統領時代に同時通訳をし、やはりヘトヘトになったという事が書いてあったからだ。
この本によれば、10分以上の
同時通訳は二人三脚でというのが鉄則らしい。(Wikiによれば15分)ところが、「ロシア語通訳者不足の為30分を一人で」と無茶な仕事だった上に、当のゴルバチョフ氏が2時間たってもまだ話していたそうで、死ぬんじゃないかと思ったところに、番組が終了して助かったという事があったそうだ。
実際、映画も字幕無しで見られるし、余程の専門書でも無い限り日本語並みに英語の記事も読めるけれども、「訳す」となると、これまた大きく意味が違ってくる。
なんというか、英語や日本語を話すときには使っていない脳みそをつかうような感じ。翻訳ですらそんな気持ちになるのだから、「同時通訳」なんてどうやってやるの?という感じである。
しかも、こうした同時通訳の場合、当然辞書を調べている暇も無い。英語で意味はわかっても「日本語ではなんだっけ?」なんてショッチュウある私の脳みそではとても出来ないお仕事だ。
その昔、言葉が話せるようになれば、通訳なんて誰にでもできると思っていた事あったけれど、それは全くもって違う。
通訳のプロセス
通訳は起点言語(原語 the source language:SL)を音韻的に認知・受容 (audition) し、さらに語彙と文法による表層構造の理解(記号の解読 decode)および世界知識・背景知識・場の知識によって内包や外延をふくむ発言内容の深層構造の理解 (comprehension) に達し、その理解にもとづいて目標言語(訳出語 the target language:TL)へ転換(再記号化 encode)し、最終的な音韻表現として表出する (re-formulate) 行為である。
Wikipedia 通訳プロセスより
一体何の事やら。。。
要するに「何言っているか理解して、今度は別の言語で同じ内容を表す」という事だろう。と言っても、言葉の性質が違う言語だと結構これが難しい。
逆に言うと、通訳やら翻訳みたいな仕事を英語学習者はしない方が良いという事も言える。「言葉を理解する」事と「言葉を訳す事」は全然違う脳みその作業。
なので、訳はできる限りしないで、するとしたら部分訳程度に収めて、頭から理解できるように努める事、これが大事。
ちなみに冒頭でご紹介したロシアは今日も荒れ模様、人情溢れるロシア人のお話が満載で面白い。今は亡きソビエト連邦の頃のお話や、資本主義化していく中での混乱など、様々なエピソードが綴られている。おススメ本である。
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