『私の中のあなた』- ある家族の肖像

category:芝居・映画の事など
tag:映画感想

久々に泣いた。

いつから泣き始めたのかよく覚えてないが、なんだか映画全編殆どで泣いていたような気がする。

「遺伝子操作で生まれた子供」とか「両親を訴える」という衝撃的で社会派的ドラマを期待していたが、そういう意味では、大きくハズレな映画。

斬新な設定の割には、古くからある王道的ファミリー・ドラマだったのだが、話し手達の力によって、気持ちよく泣かされてしまった。

この映画は、アメリカの人気作家ジョディ・ピコーのベストセラー小説を、『ジョンQ』『きみに読む物語』のニック・カサヴェテス氏が監督した作品。

白血病の姉に臓器を提供するドナーとして、遺伝子操作によってこの世に生まれた少女アナ。もうこれ以上自分を犠牲にしたくないと、両親を訴える というお話。


これからの人類が直面していくだろう「命の操作」の是非について考えさせるよな題材ではあるけれど、そいう重さは全く無い。

題材こそ衝撃的だけれど、内容は白血病のケイトを中心にした家族のお話。闘病する少女と家族の苦悩、そして家族の絆というテーマながら、カリフォルニアの太陽が燦燦としていて映像はとても明るい。


とにかく物語の語り手である、役者が良い。アビゲイル・ブレスリンソフィア・ヴァジリーヴァは「子役」なんて名称ではもったいない、立派な女優さん。この姉妹の演技が臭かったら、それだけでこの映画の魅力は半減したと思う。

脇役人も、きっちり仕事をしている。特に、シミジミと感心したのは、判事役のジョーン・キューザック。彼女に「泣ける台詞」はいらない。黙って空を見るその姿で、こっちの胸が締め付けられる。

テイラー役のトーマス・デッカーは、丸坊主だけに本当に美形であることを証明しつつ、物語に華を添えている(と思うのは絶対私だけでないはず)。

娘を見つめるジェイソン・パトリックの姿は控えめながら味がある。母親役のキャメロン・ディアスは、ホリデイのようなお洒落でかわいいイメージを消し去って、ちゃんと「女優」である事を証明している。

唯一残念なのは、2人の間に「夫婦」的な印象が無い点。もっとも、白血病の娘と共に闘う夫婦だから、繋がりきっていない感じは、それはそれで良いのかもしれない。


この物語の主人公5人の家族像は、母親を訴えるアナからケイト、そして父親・母親の視点が時折盛り込まれながら描かれていく。

とりわけケイトのお話は、それだけで映画一本できるのではないかという程、切なくてそして心温まる思いである。

ある意味、色々な視点で語られながら進む分、焦点が絞れていないし「コレ」という結論が出るわけでもない。もっと登場人物の色々な面(とりわけ母親)を知りたいと思わないでもないけれど、消化不良にならないのは、どっぷり泣いたカタルシス効果かも。

ニック・カサヴェテス監督作品

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2009年10月16日

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