人間の頭の中の世界の方が、生半可な技術で作り出されるものより、ずっと素晴らしいものがあると思うのだ。
が、このアバターは、そいういう「技術の限界」をとっくに通り越して誰かの頭の中(ってジェームス・キャメロンなんだろうけれど)をそっくり映像化してしまった感じ。
いやはや、スゴイ代物です。
正直、CMを観た時はSF映画にありがちな「映画館で観ないと価値が無いけれど、お金払ってみる必要ある?という類の映画だと思っていた。
けれど、友達が皆こぞって「良かった!」 Amazing! Beautiful! と言っていたので、段々その気になって、せっかくだからと3Dを観た次第。
ストーリー自体は、古くは『風の谷のナウシカ』『天空の城ラピュタ』や『もののけ姫』と同じ路線の「人と自然の関係のあり方」がテーマ。
特別題材を掘り下げられているわけではなく、かつての(そして今もその負の遺産を消化しきっていない)植民地政策のあり様が、他の星に飛び火した感じ。
そんな単純なストーリーではあるけれど、なんだかんだと人類が答えを出せずにいる壮大なテーマである。
で、未知の世界の創造の産物が扱われているにも拘わらず、あまり「奇異」な感じを受けなかったのは何故だろう…、と今考える。
未来のコンピューターもロボットも、特別「何コレ?」というような事もなく、すんなり受け入れられてしまった。
先住民ナヴィの青い姿も、ポスターとかで見慣れたからであろうか、気持ち悪いともなんとも感じず、異星の知的生命体として受け入れられてしまったような。
音楽も、ネイティブ・アメリカンやアフリカの民族音楽を織り交ぜたような感じで、豊かな大地を想像させる感じだし。
話全体が、奇をてらった未来物というより、今の延長上にある世界を描いたよう。
そういう「今までもどこかで見た事のある、聞いたことのあるお話」に過ぎないのに、映像の力でここまで人を惹きつけるというのは、やっぱり才能だと思う。
いやはや、映画ってやっぱり映像の力なのねと、再確認。
蛇足だが、映画を観終わった後「今日は空を飛ぶ夢見そう」と思った。案の定空を飛んだのだが、高所恐怖症の私は、これまた案の定落っこちた。
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